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曼荼羅
曼荼羅とは、字義的にはわかりやすく言ってしまうと、「本質」ということを意味し、一方これを観想する仏教修行者にとっては、仏陀の正覚の内的宇宙の表現となる。 元来曼荼羅は、チベット仏教で崇められる多くの尊像もそうであるが、ヒンドゥー教から派生したもので、それが仏教で用いられ、今日まで継承され続けている。 曼荼羅の幾何学形態の中心に位置するのは、主尊となるもので、それを取り囲む形で、従属の尊像たちが規則正しく位置している、というのが基本的な形である。 これらは、修行者の観想のために描かれるのが普通で、修行が高度の階梯に到達するにつれ、そこで用いられる曼荼羅も複雑なものになり、ここに掲載されているカーラチャクラ曼荼羅は、その中でも最も複雑なものの一つである。チベット仏教で用いられるマンダラには多種多様なものがあり、その種類は数え上げることも困難なほどである。ここにあるのはそれらのうちでも、高度の修行段階のものとされる無上ヨガタントラに属するものばかりである。